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雲の両側を眺める

先日『Coda』という映画を観た。その作中で主人公が歌っていた『Both Sides Now』という曲がすごくいいなと思った。

海外でも国内でもたくさんカバーはされているので、歌詞や日本語訳はぜひ調べてみてほしいのだがこの歌は、いろんな物事には両面があって、でもそれがわかってもなお幻でしかない、そんなことを歌っている。

日本語では『青春の光と影』という風に訳されていたため、そういう時期に感じるようなことなのだなぁと想像してみる。一番では雲の喩えが登場していて、幼い頃に見ていたふわふわと浮かぶ幻想的な雲。その時はそれが雲の全てだと思っていたが、成長して雨や雪を降らせて自分の行動を遮る雲を知る。そんな二つの雲の姿を見て、自分は雲を知ったような気でいたけど、もう一つの側面を知ると、むしろ全然知らないことに気づく。そして、それは愛や人生でも同じことなのだと。


私たちは色々なことを知っていくほど、何か物事の全てを掴めているように思ったり、自分の人生を確信したりする。しかし、それは実際に掴もうとすると、雲のようにするっと通り抜けてしまうものなのかもしれない。

でもだからこそ、私たちは自分の人生や愛を知り続けることができるとも言えるんじゃないだろうか。



 
 
 

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