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道に迷う大人たち

人は何歳まで迷ってもいいのだろう。

最近はそんなことを考える。

幼い頃の夢を叶えようとしたり、学生時代から意思をもって行動している人もいれば、40代や50代になって新しいことに挑戦する人もいる。


特に作家なんかはその年齢差が大きく、20代、早い人は高校生や大学生辺りから文学賞の受賞をきっかけに、活動し続ける人もいれば、50代になってから作家の才能が開花する人もいる。

それは作家が自己の経験やその人の中にある物語などが大きな根幹になっていて、読書や会話をすること、文章を書く経験など生きていく中である程度作家に必要な形式が身に付くからだろう。もちろん活躍しているプロの作家は、より言葉や文章の性質や構造をを理解していたり、スケジュール面や、編集者や世間の需要に応えていくような、作家として必要なスキルを持っている。しかし経験と言う面では、20年生きた人の考え方と50年生きた人の考え方では、その差は歴然であろう。もちろん必ず比例するわけではないが。


しかし全ての職業が作家のように考え方が応用できるわけではない。道を変えるということは、それまでの自分とは違う自分が求められたり、はじめからその道を進むと決めていた人よりも遅い年齢で学びはじめるから、時間も限られてくる。


また外面的な要因に関しては、同じことに精通していた人の方が仕事を頼むときに信頼を得られやすい。自分が短い期間でどんなに習得したとしても、やり続けた年数がそのまま説得力を持つ。ときに、実力のある新人よりも、そこそこのベテランの方が有利に働く。相手に信頼されるためには、自分の人生にそれにどれだけ時間をかけてきたという歴史があり、考えてきた証明が必要なのだ。


しかし私たちが何かを選択する上で、一番大事なのは、きっとそれをずっと続ける自分を想像できるか、それがなりたい自分であるかということだ。


人は変わっていくし、どんどんと新しいものを知っていく。

その中で、意図せずすごく惹かれるものに出会ってしまったりもする。だから面白いのだが、その時に自分の未来をどんな風に想像していくのか、そして、どう決断していくか。


視野が広がるほどに、自分はまだ何者にでもなれるような気がする。その中で、今この道に進みたいのか、もっと自分のわくわくするような選択肢があるのではないか、そんなことを考えたりもする。


だから選択が変わることはさして大きな問題ではないのかもしれない。

いつか変わるかもしれないけれど、でも自分の理想はこれだと。

それを明確に持ってさえいれば、いつから道が変わってしまってもきっと大丈夫。

そういう意味では、人はいつでもゴールに向かって進んでいるのではなく、道に迷っている状態なのかもしれない。




 
 
 

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