話の苦手なライター
- 政美 森田
- 4月7日
- 読了時間: 2分
私はライターだけれど、話すことが実はそんなに得意じゃない。
というよりも、ライターだからといって、話すことが得意なわけじゃない。
書き言葉と話し言葉は違うし、じっくり考えて書くライティングと、瞬間に考えて話す会話とではアウトプットのされ方が違う。
実は数年前に「ライターなのに言葉の重みがないんですね」と言われ、その時は結構ショックでそこから話すことに苦手意識を持ってしまい、言葉が以前よりもより出てこなくなってしまった。よく考えれば、仕事相手というわけではなく、普通の会話の中で言われたので、あまり気にすることではないのだが、自分とライターという職業をうまく分けて考えることができずにいた。今でもそこはかなり怪しいのだが。
何か表現する分野は、依頼に沿った形に作り上げたとしても、どこか自分の人生の一部が表現されているように感じる。それが作家性とも言われるが、それを否定されると、自分の人生まで否定されたような気持ちになる。
けれど、そんなのにいちいち落ち込んでいても仕方ない。もちろん成長や仕事に必要な指摘受け止めるが、人のイメージや価値観に自分が寄り添うことはない。
私の話は重くはないが、それは私が使う言葉の重さとは関係がない。
そもそも私は噺家ではない、ライターだ。そういうことをわかっていたら、あの時のショックももう少しうまく受け流して、今、もう少し話すのが得意になっていたかもしれない、と思うと少し悲しいが、自分の大切な傷として、話し下手な自分も愛していきたい。







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