言葉と成長
- 政美 森田
- 6月12日
- 読了時間: 1分
「サイロ」という六花亭の児童詩誌がある。
子どもたちの言葉を読むと、自分はもう戻ることができないのだなと感じる。
意味や意図、環境に縛られない、素直で率直な言葉というのだろうか。言葉に対して真に純粋というのだろうか。大人になった自分にはもう紡ぎ出すことができない。私はその頃の言葉を、もう失ってしまった。
けれど、そのことは同時に得たものの痕跡でもある。
何かを手にすると、何かを失う。人は全てを手に入れることはできない。それまでの自分を失うと同時に、新しい自分を手に入れる。それが成長だ。
自分が望んで大人になった。自分の望んだ方向に成長した。そのことに決して悔いはないし、それで得た多くの喜びを今の私は知っている。
しかし、ふと子どもたちの言葉に触れると、どこか切なくなる。うらやましくなる。一瞬、戻りたくもなる。
人はどこまでも愚かなものなのだな。
今日も読んでくれて、ありがとうございます。
また、まどろみの中であいましょう。







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