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言葉と成長

サイロ」という六花亭の児童詩誌がある。

子どもたちの言葉を読むと、自分はもう戻ることができないのだなと感じる。


意味や意図、環境に縛られない、素直で率直な言葉というのだろうか。言葉に対して真に純粋というのだろうか。大人になった自分にはもう紡ぎ出すことができない。私はその頃の言葉を、もう失ってしまった。


けれど、そのことは同時に得たものの痕跡でもある。

何かを手にすると、何かを失う。人は全てを手に入れることはできない。それまでの自分を失うと同時に、新しい自分を手に入れる。それが成長だ。


自分が望んで大人になった。自分の望んだ方向に成長した。そのことに決して悔いはないし、それで得た多くの喜びを今の私は知っている。


しかし、ふと子どもたちの言葉に触れると、どこか切なくなる。うらやましくなる。一瞬、戻りたくもなる。

人はどこまでも愚かなものなのだな。


今日も読んでくれて、ありがとうございます。

また、まどろみの中であいましょう。

 
 
 

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