美味しいご飯について
- 政美 森田
- 5月7日
- 読了時間: 2分
生きている中で幸せな瞬間の一つといえば、ご飯を食べることだ。
特に、人と食べるご飯はなぜこんなに美味しいのだろう。
これは私の持論だが、「美味しい」は単に舌や鼻だけで感じる感覚ではないように思う。「美味しい」は食を通じた感情なのだ。
親しい間柄やたくさんの時間を過ごした人たちのことを「同じ釜の飯を食った仲」と言うように、食を共にすることは、暮らしの一部を共にすることである。そして、現在、同じ釜ではないにしろ、同じ厨房で作られた料理を同じ場所で食べるということは、互いに味方であるという意思表示でもある。人は生きるためにご飯を食べるが、同時に体に何かを入れるというのは、それだけで死にも近づく危険な行為でもある。だからこそ、それを何度も重ねられている相手というのは、お互いに味方だという印にもなる。
そんな人と食べるご飯だからこそ、一人よりも安心し、リラックスした状態になる。
また、他人の感覚というのは自分の感覚とは違う。同じものを食べたとしても違う反応を示したり、自分が気が付かないことに気付いたりする。一緒に食べるということは、一緒にいる人の感覚が共有されるということだ。だから、より敏感に感じ取ることができる。
そして、そこで交わされる会話や、コミュニケーションが私たちのポジティブな感情を引き出す。
それから最後に、何より日本は食べ物が美味しい。外食はもちろん、家でも美味しい料理が簡単にできるようになった。美味しい食べ物は、好きな人と一緒に食べたくなる気持ちにさせてくれるし、美味しい食べ物を食べると、人々の間で優しいコミュニケーションが生まれる。その当たり前に享受される幸せが、人と食べるときの美味しさを増幅させてくれるのだと思う。







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