知ったあとの未来へ
- 政美 森田
- 5月13日
- 読了時間: 2分
世間では「知らない方がいいこともある」といった言葉がまことしやかに囁かれている。
実際、そういうことはある。
知ることは、人を弱らせ、迷わせる。幸せに生きる人が、幸せに感じて生きていられるのは、知りたくない事実を知らずにいる、もしくは知ってそれをあえて、見ないようにしているからだ。
多くの人は他者に触れることはあっても、それを知ることはしない。
知ってしまえば、他人事ではなくなるからだ。
知ってしまえば、知る前の状況に決して戻ることはできないからだ。
知ってしまえば、手放しに幸せを感じることなどできなくなることを、知っているからだ。
知ることは、あなたの意思や選択を弱らせる。
知ることは、それまでのあなたを見失わせる。
そして芽生えた無謀な正義感によって、自分以外の誰かを救いたい、どうにかしたいと考えてしまう。
それは自己犠牲でもある。
知らなければあなたはあなただけを見ていることができたし、都合のいいように世界が作られていた。
あなたの見ている世界は、あなたが知っている範囲の世界でもある。
しかし、知られることで確かに救われる人もいる。
その無謀な正義感が、知ることへの貪欲さが、この世界の誰かを救っている。
そしてあなたを救うことにもなる。
知ることは、それまでの世界の「何か」「誰か」を変えるきっかけになる。
そんな「知る人間」の存在が世界を変えてきた。
火事になっている森林を、誰かが見つけなければ、この世界にその火事は存在しないことになる。ひとりでに消えることもあれば、気がついた時には、すぐこちらまで迫ってきていることもある。
そういう中で、あなたの中にある何かを失っても、弱くなり脆くなるとしても、あなたは絶えず知ることを選べるだろうか。
知ることは、全てにおいて悪にはならない。
なんであれ確実に価値観や世界を広げる。
知ることで、もし自分が何かを迷ったり悩んだりしたとしても、それは未来、知ったことに対して肯定的に向き合おうとする反応であり、あなたが知ったことを受け入れたり、世界を変えることのできるたった一つの道筋なのだ。
だからいつまでも「知らない方がいいこと」を知り、
「知ってよかった」と思える未来を創ろうとする人でありたい。







コメント