暮らしとデザイン
- 政美 森田
- 6月23日
- 読了時間: 2分
暮らしに対して、どれだけこだわりを持つのかは、人によって全然違う。
どんな場所に住むのか、どんな装いをするのか、どんな場所で仕事をするのか、どんな人と過ごし、どんな場所へ行くのか。
「暮らす」とひとくちに言っても、その選択肢は無限にある。
だから、手の届かない範囲はどうしてもおざなりになったり「これでいいや」という風になる。
実はかつて、こうした暮らしのデザインの観点で頑張ろうとしたのがモダンデザインを提唱したウィリアム・モリスだった。
きっと、なんとなく聞いたことがある人もいるだろう。
当時は、ミュシャを代表とするアール・ヌーヴォーや、破壊や批判のダダイズム、スピードの未来派など、多くの美術の傾向や派閥があった。
けれど、せっかくの美しい芸術がうまく生活に反映されなかったり、それが生活用品になったとて、そもそもうまく組み合わせられる商品が少なかったり、空間をデザインする力がなければ、ごちゃっとした場所になってしまう。
そういうわけで、このあたりから「デザイン」という言葉がより意識されるようになり、今に至る。
今でもブランドやお店を覗くとたくさんの家具や生活用品があるが、大体ひとつのお店で全て揃えることができる。また、言葉や意味の発達や、情報が増えたり得やすい環境になったことで、人がよりデザインしやすい環境になった。
こだわりを持つ人の選択肢はもちろん、こだわりを持たない人にとってもデザインしやすくなったというのが大きい。
その代表格は、やはりコンセプトに「空」の観点をもつ無印良品だと思う。
無印良品はその根底に民藝の性質を持ち、日本の民藝はモリスのアーツアンドクラフツの影響を大きく受けている。それは「用の美」という、生活に根ざした美しさにある。
無印良品の商品は、より幅広い範囲での「用の美」を備えている。
「特定のモノ」として使うだけではなく、それよりも拡張性の高い「何かしらのモノ」として幅広い用途を展開できるようになっている。これが無印良品が提示する「空」という概念であり「器」という様式だ。
はじめに述べたように、人の選択肢が増えた今、モノを選ぶのに苦戦することが多い。
こだわりがないものまで選ぶことが必要になってくる。
その中でプラス的な意味で「これでいい」と無意識に選べるようなものづくりのあり方が、無印良品にはある。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
無印の商品は、やっぱり靴下がおすすめ。
また、まどろみの中で会いましょう。







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