映画と音楽
- 政美 森田
- 2月17日
- 読了時間: 2分
最近きっかけがあり、映画を観ることが増えた。
浪人時代は、とにかく暇だったので貪るようにサブスクの映画やドラマを観ていて、その時はもう見尽くしたと思ったが、いい作品でも観ていないものがあったり、映画の捉え方というのが今と昔では結構変わっていた。
浪人時代は、ちょっと面白い読書会に所属していたのもあり、特に「探偵的読み方」というのにハマっていた。だからストーリーで感動するというよりも、あのシーンっていうのは隠れたメッセージなのだとか、そういう誰もが見逃すところばかりを探って観ていた。そういうのは大体海外ホラーだったり、よくわからない物語に散りばめられていたりするので、ストーリーは構造を知るための情報でしかなかった。あの時は楽しむというよりも、作家の意図や思想を知るために作品を観ていた。
しかし今は、自分の人生と重ね合わせたり、感情移入するということが多くなり、映画が持っている力をより感じるようになった。特に最近は音楽映画を観ることが多いのだが、歌と映画の重なり合いというのは、別格に面白い。
人は本能的に音楽に感情的に反応する感覚というのが備わっているのだろうか。音楽映画を観ているとそんなことを感じる。
『Begin Again』という映画でパーティーのシーンがあるのだが、その中で音楽がかかり、しかし踊ったり動いてはいけないというゲームが突如、始まる。その場にいる人は音楽に乗りたい気持ちを抑えながら止まるが、ある一人がたまらず動いてしまう。一人が動き出すと、みんなも踊り出す。そのシーンを見た瞬間、これが音楽の力かと思わされた。人の喜怒哀楽であったり、人に本来携わっている身体の中の「波」のようなものが、音楽によって共有されていくような気がする。







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