悩む前の人へ
- 政美 森田
- 3月3日
- 読了時間: 2分
悩まない人というのは2パターンいる。すでに悩み終えた人と、悩む前の人だ。
どうして人は悩むのだろう。
私は今までそんな風に考え、自分が何か壁に当たった時に、深く考えることも人に話すこともしなかった。つまり後者、悩むことを知らなかった。
自分の悩みなんて、きっと昔に誰かが悩んでいて、知恵袋や本にたくさん書いてあるし、大抵、選ぶべき答えはわかっている。小学生の頃からこんな風に迷わず決断してきて、その頃は自分が何にも揺さぶられない、成熟した人間なんじゃないかと思っていた。
しかし今になると、悩むことは結果ではなく、その過程にこそ意味があると思うようになった。同じ悩みはこの世に無数と存在する。しかし、誰が悩むかによって答えは変わるし、そこから学び得ることこそが本当の価値だ。ネットや周りの人間が評価する状況ではなく、他人の言葉も聞きながら、自分が悩みに対して何を思うのか、どうしていきたいのか。そうして決めた答えだからこそ、自分にとって価値があるものになる。
今までにも同じような結論の文章に何度も出会っててきたが、これを本当の意味で理解したのは、自分が悩むことを経験してからだ。
今までは「〜すべき」という周りの答えが自分の答えになっていた。しかしいつもそんな風に決めていると人生の大切なタイミングで、自分の目的や目指したものがわからないまま歩む道が決まってしまう。それは自分の人生を生きているのではなく、ある人の人生をなぞっているだけだ。悩んで悩んで、自分の目的を見つけることに悩むことの意味があり、それが決まってしまえば、もう何かを悩む必要はない。これが悩み終えた人だ。
翻って、言葉は伝える能力が高い。しかし本当に伝えられるのはその人の人生に寄り添ったタイミングでしかない。万能ではない。いつか誰かの良いタイミングでこの文章が届きますように。







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