好きな食べもの
- 政美 森田
- 9月1日
- 読了時間: 2分
これは物事を考えすぎなのか、反対にあまり意識せず生きてきたせいなのか「好きな食べもの」というのがよくわからなかった。だから、好きな食べものを聞かれたときは、だいたいみんなが好きであろう「オムライス」と答えていた。なんだか、オムライスは私の中でいろんな人が好きな食べもので、幸せの象徴のような食べもので、他の料理よりも、特別感もあって、なんとなく王様が食べるもの。そんなイメージをもっていた。
だから、子供の頃から「何食べたい?」と聞かれて困った時は「オムライス」と言っていた。
本当はそれなりに美味しく食べられてお腹が満たされればなんでもいい。
夏にシチューを食べても、冬にそうめんでも、なんでもいいのだ。
最近は家ではなく、外でご飯へ行く機会が増えて、そういうときによく食べるのが、ラーメン、蕎麦、スープカレーだ。なんとも風土があらわれている。
けれど、それらが特別好きかと聞かれると、やっぱり馴染みがあるというだけのような気がする。知り合いと行くだけで、一人ではあまり行かない。ラーメンやスープカレーをおすすめしてくれるから行くし、私の大好きな人が蕎麦が好きだったから、蕎麦屋で働くことにして、知識が増えただけ。
自分の好きな食べものがない代わりに、人と行くご飯は、相手が好きなものを食べて、美味しそうに食べている。その出来事が美味しいと感じさせてくれる。一緒にご飯を食べるときの味覚というのはそういうもののような気がする。
相手が美味しいと思うから、味を敏感に感じ取れたり、美味しいものだと記憶する。ほんとうに美味しいかどうかなんて、本当はどっちでもいいのだ。
おそらく、私の本当に好きなものといえば、白玉やお餅などもちもちしたものなのかなと、なんとなく思う。味もしなくていいし、ただ食感が好きなだけで、別に料理じゃない。噛んだ時にくるほんのりした甘さ、それだけで十分。
でもそんなものは外食で選びにくいし、こんなことを言うと偏食がられると思うので、家でひっそり食べたりする。それでいい。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
また、まどろみの中で会いましょう。







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