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会話の旅に出る

ときどき違う文脈を持った人と話をすると、その人を通して自分の姿や、自分が求めていることがよくわかる。


普段は仕事仲間や近いコミュニティの人と話すことが多い。けれど、たまに昔の友達や、少しだけ関わったことのある人、あるいは道端で偶然声をかけてきた人と話す機会がある。

そういうとき「言語の違い」をものすごく感じる。もちろん、同じ日本語なのだが、その言葉一つひとつの意味や、会話の流れ方というのが全然違っている。


映画の話ひとつをとっても、厳しく批評をする人もいれば、ただひたすらに「良い」と言う人、映画を自分の人生に重ねる人や、実はそんなに観ていないのに「好き」と口にする人もいる。

それによって議論的になったり、自分が聞き手や話し手のどちらかになったり、「良かったね」で終わったりと、会話の形式が変わってくる。


この会話の形式が違うタイプの人に出会うと、自分がどんな言葉を選び、どんな流れで思考しているのかが、反射としてくっきりと浮かび上がってくる。そして同時に、普段そばにいる人たちと自分との距離感や、その人たちと一緒にいる理由を知る。


近しい人と話しているときには気づかないことが、違う世界を生きる人との会話でははっきり見えてくる。

それは、ちょっとした旅に出る感覚に似ている。


見たことのない道や家を見て新鮮に思い、 同じものを見つけて安心する。

旅から帰ってきて、家のドアを開けたときのように。


もちろん、新しい景色には発見がある。

それでも暮らすなら「やっぱりここが一番」。

旅のような会話のというのは、自分がここに暮らす理由を感じさせてくれる。


今日も読んでいただき、ありがとうございます。

またまどろみの中で会いましょう。



 
 
 

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