会話の旅に出る
- 政美 森田
- 8月25日
- 読了時間: 2分
ときどき違う文脈を持った人と話をすると、その人を通して自分の姿や、自分が求めていることがよくわかる。
普段は仕事仲間や近いコミュニティの人と話すことが多い。けれど、たまに昔の友達や、少しだけ関わったことのある人、あるいは道端で偶然声をかけてきた人と話す機会がある。
そういうとき「言語の違い」をものすごく感じる。もちろん、同じ日本語なのだが、その言葉一つひとつの意味や、会話の流れ方というのが全然違っている。
映画の話ひとつをとっても、厳しく批評をする人もいれば、ただひたすらに「良い」と言う人、映画を自分の人生に重ねる人や、実はそんなに観ていないのに「好き」と口にする人もいる。
それによって議論的になったり、自分が聞き手や話し手のどちらかになったり、「良かったね」で終わったりと、会話の形式が変わってくる。
この会話の形式が違うタイプの人に出会うと、自分がどんな言葉を選び、どんな流れで思考しているのかが、反射としてくっきりと浮かび上がってくる。そして同時に、普段そばにいる人たちと自分との距離感や、その人たちと一緒にいる理由を知る。
近しい人と話しているときには気づかないことが、違う世界を生きる人との会話でははっきり見えてくる。
それは、ちょっとした旅に出る感覚に似ている。
見たことのない道や家を見て新鮮に思い、 同じものを見つけて安心する。
旅から帰ってきて、家のドアを開けたときのように。
もちろん、新しい景色には発見がある。
それでも暮らすなら「やっぱりここが一番」。
旅のような会話のというのは、自分がここに暮らす理由を感じさせてくれる。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。
またまどろみの中で会いましょう。







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