わがままなワクワク
- 政美 森田
- 9月3日
- 読了時間: 2分
ワクワクしている人には、とてつもない魅力がある。
別に大層なことじゃなくてもいい。
ただ夢中になって、やりたいことをやってしまう。
その姿に、人はどうしようもなく惹かれてしまう。
思えば学生時代から、私のまわりにはそういう友人が多かった。
イラストや文芸、演劇に剣道、音楽。気がつけば仲良くなるのは、いつも何かに没頭して日が暮れるのも忘れるような子ばかりだった。いわゆる「オタク」と呼ばれる熱烈さを持っていて、他人の目よりも自分の“好き”に正直だった。
恋人たちもそうだった。
物書きの彼は、作家の奥に隠れた物語を私に教えてくれた。
映像編集が得意な彼は、作業に没頭する眼差しのまぶしさを見せてくれた。私は隣で本を読みながら、ときどきその横顔を盗み見る。そして休憩の合間に彼の好きな動画を一緒に観て、気づけば私もそれを好きになっていた。
そうやって、自分の「好き」に思いきり振り回してくれる。
その熱に、どうしようもなく惹かれる。
きっとそれは、私自身が本当はわがままだからだと思う。
表ではいい顔をしながら、根っこの部分では自分の好きなことに一直線で、人を振り回してしまう。だからこそ、同じようにわがままで夢中な人といると、気が楽になるのだ。
わがままなほどにワクワクしている人。
私は老いて体が思うように動かなくなっても、そんなふうでいたいし、そんな人といたい。
ただ自分の好きなことに夢中になって「あなたの付き合ったんだから、次は私の番よ」と少し誰かを振り回しながら生きていけたらいいなと思う。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。
またまどろみのなかで会いましょう。







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