きのこの話
- 政美 森田
- 4月14日
- 読了時間: 2分
少し前の研究で「きのこがおしゃべりしている」という何とも面白い研究結果が発表された。
正確には、きのこが人間の言語によく似た電気信号を発しているということらしい。それを聞いた時、かなり興奮した。
実は文学作品でまさにそのことを知っていたかのような小説があり、偶然その作品を読んでいたからだ。
それが夢野久作の『きのこ会議』だ。こちらは青空文庫でも読むことができてとても短い作品なのでぜひ読んでもらいたい。
夢野久作といえば、世界三代奇書『ドグラ・マグラ』の著者であり、かなり奇妙で特徴的な文体を持つ作家である。サイコ、ホラーの作品だけでなく、童話も書いているのだが、やはりそこには毒のようなものが仕込まれていて、簡単には読むことができない。そんな中毒性のある作家でもある。
その夢野が描いた『きのこ会議』ではまさにきのこが演説会をしている。いろんな種類の食べられるきのこと毒きのこが対立している様子が描かれている。
これもまた、毒のよくきいた話で、あっけないラストになるのだが、これが今の政治情勢などにもよく似たものを感じる。
まあ、そんな話はさておき、もしきのこが本当に話してくれるのだったら、きのこ語を覚えて、あるいは、日本語を覚えさせて、何か世間話でもしてみたいものだ。







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