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休むこと

あなたはちゃんと休めているだろうか。

休みがあっても、実は休めていないんじゃなかろうか。

「休む」ということは単に、休みの日や休む時間をつくることじゃない。

それは、一度すべてを停止することだ。


けれど、時間は止まらない。

人は立ち止まることができない。ゆるやかにでも進み続けるしかない。

もしも停止してしまったなら、それは永遠の停止を意味する___。

生きることを決めたときから、私たちは不可逆的な、けれど止まることもできない物語を始めている。


だから人は本来、完全には休むことなど、できないのだろう。

休むことができないなりに「休む」という言葉を使って、なんとか止まろうとする。

そうしなければ、保たないと知っているから。


私たちはふだん、自分を削って生きている。

どんなに苦しいときも、楽しいときも、幸せなときも。

自分という対価を払って、世界に生きている。


けれど毎日自分を払い続けていると、あるときふと、自分が空っぽになってしまう。

気づいたときにはもう、何も残っていない。


だから、休むのだ。

生きる時間をやりくりするために。


休みは、私を誰にも与えない日。

休みは、私がこの世で求められない日。

休みは、私がこの世に存在しない日。


だから、そこにはどんなあなたがいてもいいし、どんなあなたであっても、誰にも知られなくていい。



今日も読んでいただき、ありがとうございます。

休むのが下手な人も世の中にはいますよね。

また、まどろみのなかで会いましょう。



 
 
 

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