味の話
- 政美 森田
- 5月12日
- 読了時間: 2分
ラーメン好きの日本人は多い。話していると度々、どこのラーメンが美味しいという話題になる。
しかしお恥ずかしながら、私はあまりラーメン屋に行く機会がなかったため、ラーメンの違いについてそこまで気にしていなかった。どのお店で食べてもまずいものが出ることはないし、食べる時は「ラーメン」というものが食べたい気持ちになっていたので、正直、ラーメンであればなんでも良かった。
けれど最近、仕事場近くのラーメン屋にたびたび訪れる。そこは化学調味料を使っていないことが売りで、仕事仲間もそのお店が好きなため、少し遅い夜ご飯としてよく一緒に食べている。
しかし先日、久しぶりにふと違うラーメン屋さんに行った。そのお店には以前何度か行ったことがあったため、特に気にすることなく店に入った。しかし、食べた瞬間、かなり衝撃を受けた。「あれこんな味なんだ...」とラーメンを食べて初めてガッカリしたのだ。スープの味がチープというか、ただ塩っぽさが目立っていて、以前食べた時の印象とまるで違った。
そこで初めてラーメンってこんなに違うんだと味で分かり、改めて行きつけのラーメン屋の美味しさに気づいた。
それを考えると「ここのラーメンはこうで、あっちのラーメンはどう」とかすごく詳しい人がいるけれど、その人たちはどれだけ食べ続けたのだろうと思う。味というのは人の顔を思い出すようなものに似ている。食べている時はその味を感じるけど、食べていないときにその味を思い出すのは難しい。顔は写真を見ればわかるけれど、味や香りはそんな風に記録できるわけでもない。言葉で記録していることも、結局はそれは味を言葉に変えただけなので、味を記録することにはならない。
だからその感覚を思い出すまで何度も食べる必要がある。
どうやら自分はまだ味音痴みたいで、行きつけのラーメン屋が、おいしいということはわかったが、それしかわからず、味さえ思い出せない。
今日も来てくれてありがとう。
今晩はラーメンなんてどうでしょうか。
まどろみの中で、また会いましょう。







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