100円の価値
- 政美 森田
- 1月15日
- 読了時間: 1分

1円を100回と、100円を1回。
これは中学生時代に部活の顧問の先生が言っていた話だ。
1日1円を100回貯金するのと、1日100円を1度貯金すること、どちらが大変だと思うか。言うまでもないだろう。そして先生は、1円を100回貯金できる人になりなさいと私たちに言った。
それは同じ価値のものに対して、できるだけの努力をしなさいということだった。
1円を毎日貯金するには100日という膨大な時間がかかるだけでなく、100枚の1円が必要になる。また忘れないように習慣化も必要で、相当の根気が必要だ。
毎日貯金を続けると、色々なことに気が付く。1円の形や重さ、描かれている年号や絵柄、貯金したときの音、そうした小さな発見の積み重ねが、自然と自分を新しい自分にさせていく。
そう思った時、ヘミングウェイのあの名言がよぎる。
「Every day is a new day.」(『老人と海』より)
魚が釣れなくても毎日船を出す老人の話だ。一見釣れていないように思えても、毎日釣りに行くこと。それが1円を貯金することに非常に似ている。そうして、最後には格闘の末、大魚を釣りあげる。
いかに自分にとって、価値の高い100円にするか。
先生からはそういう価値のあり方を学んだ。







コメント