

そこにあったマフラー
先日、カフェとご飯屋さんへ行った帰り、自分がマフラーを忘れていることに気がついた。 きっとどちらかのお店にあって、戻ればあったかもしれないけれど、行くことはなかった。 そのマフラーはプレゼントでもらったもので、少しだけお気に入りでもあった。 けれど、取りに行かなかった。 わたしはたびたび、そういうことがある。 スマホや財布を失くしても、自分にとってはおおごとではなく、むしろ周りの人のほうが驚いて、必死になってくれる。 もちろん、経済的な面もあって「失くしたら買えばいいや」が安易にできないので、心当たりのあるところへ連絡して確認してみたり、できるだけ早く自分のもとに戻す手段を考える。 ただ「なくした」という感覚が、わたしにはあまりないのかもしれない。 そこにあったものが、ただ別の場所へ移動しただけ。 もともと私の生活にあったものじゃなく、ただ近くにあっただけ。 わたしの周りには、色々なものがあるようで、本当は何も無い。 実生活はこのように叙述的な感覚で語られるものではないのかもしれないが、きっとわたしは家を失くしたとしても、失くした瞬間に、無いこと
4 分前
